採択者の声

yahae kiyosumi

靴下好きが集まる靴下屋 yahae kiyosumi

  • 江東区 清澄通り会
  • 商店街
  • 開業

事業内容をお聞かせください

清澄白河駅から徒歩5分の場所にあるファクトリー直営の材料やはき心地を追求した靴下専門店です。すべて奈良県広陵町にあるヤマヤ株式会社の自社工場で一点一点、丁寧に編み上げています。

店舗名でもある新ブランド「ヤハエ(YAHAE)」を中心に、約100種の靴下を取り揃え、日常遣いのファッションとしての靴下から出産祝いやクリスマスの贈り物などにもお選びいただいています。
一番人気は、ヤハエの「ガラ紡ソックス」で、手紡ぎのような温かみのある糸を、締め付けの少ない編み地で優しく編み上げた靴下は、コロナ禍でおうち時間が増えたことからも人気の商品です。
オーガニック繊維、自然由来の染色に特化した靴下は世界的にも少ないことから海外でも評価を受け、パリで開催された展示会では、各部門の優秀な製品に贈られる「BEST OF MOM」を受賞しました。

採択されて良かったことと、助成金の手続きで苦労した点や解決方法があればお聞かせください

助成金の申請手続きでは、東京都中小企業振興公社の方に助成事業の趣旨、条件などを伺ってから事業計画書の作成を始めました。また、記入例を参考にしたことでスムーズに書き進めることができました。

初期の顧客獲得という金銭的に不安定な状況下でも、助成金があったことで新スタッフの雇用や商品開発に資金を投入する積極性を維持できて大変ありがたかったです。

採択後も、担当者の方には、実績報告に必要な書類についてケースバイケースで親身に対応いただきました。

経営者として意識していることはありますか?

地域や人に還元していくことが、事業存続の道になると考えています。

当社の工場は靴下が地場産業である土地で100年にわたって経営してきました。
当店が清澄白河に開業を決めたのも、オシャレな方が多く、ファッションアイテムとして製品開発する当店の靴下と、この街の親和性が高いと考えたことにあります。
開業から間もなく2年となり、近くにお住いのお客様にリピートいただいていることはありがたく、これからも地域の方に選ばれる店でありたいと思っています。
また、当店も地元のものを選びたいという考えから、スタッフ採用の際は大手求人サイトではなく、近隣で採用支援を営む会社を利用させていただいています。

今後も必要とされるサービスを提供し、高付加価値な事業展開によって従業員の賃金にも反映させながら継続的に事業発展させていくことで、地域経済に貢献していきたいと考えています。

加入している商店街の良いところは何でしょうか。また商店街ではどのような活動をされているか、今後取り組みたいことなどあればお聞かせください

清澄通り会は、個性的な専門店が多く、フレンドリーで店舗同士、心の距離が近いところが特長です。
お互いをよく知っているからこそ、お客様を紹介し合ったり、イベントでコラボするといった現象が生まれ、今年は、近隣のスニーカーショップと商品を提供し合った、ショップ・イン・ショップを行いました。
また、清澄白河は「コーヒーの町」として知名度が向上してきており、コーヒーの廃棄物を活用して染めた糸の商品作成を、近隣のコーヒー店とコラボして取り組んでいます。この商品を通してコーヒー好きの方への靴下のPRとSDGsへの貢献を目指しており、この町だからできる商品を増やしていきたいと考えています。

地域のイベントでは、毎年秋に開催される芸術祭「アートパラ深川」が今年も予定されており、ボランティアのアートクルーとして、アート作品の設置や、協力店へのインタビューに携わる予定です。

今後は周辺のおすすめスポットなどを含めた「商店会マップ」の作成など各店にスポットライトが当たる仕組み作りにも携わりたいと構想を練っています。

今後の展開について

実際に接客してお客様の声から生まれた商品は、実需に基づいているので目的買いや指名買いが多く、売り上げを維持する一つの柱になったと感じています。これらの商品のリピーターのお客様も増えてきており、次のステップとしては、オンライン強化に向けた準備を進めています。

SNSマーケティングやECサイト運営に強いスタッフに加わってもらい、東京都中小企業振興公社の専門家派遣事業も活用しながらサイトの再構築を行う予定です。
これまでの店舗中心の経営から、既存のお客様が店舗に足を運ばなくても購入ができる導線整備や、新規のお客様が来店のきっかけとなる情報発信を行い、店舗とオンライン両輪でのWithコロナ時代に則したビジネスモデルへと発展させていきたいと思います。
また、私たちの靴下についての発信に留まらず、清澄白河の魅力を併せて発信することで、街の活性化にも寄与していきたいと考えています。

開業を目指す方へアドバイスをお願いします

思い描くサービスを開業当初から提供できるよう、助成事業をうまく活用してみてください。
私は他県でも事業をしていますが、東京都には驚くほど多くの支援事業があります。東京都中小企業振興公社、商工会、金融機関など、専門家のアドバイスを適切に受けることで活用できる支援事業が見えてくると思います。また、公社さんのホームページの新着情報やメルマガにも社会情勢を踏まえた新しい支援情報が掲載されています。
私の場合は、この商店街起業・承継支援事業の他にも感染症対策助成事業も活用させていただきました。

開業には様々な不安がつきまとい、人件費といった経費を削減したくなるとは思いますが、商いは人に支えられています。
より成長していくためには、良い仲間と出会い、仲間とともに事業を育てることが大切になってくると思います。

店舗情報

店舗名 yahae kiyosumi
代表者名 野村 泰嵩
商店街名 清澄通り会
開業年月 2020年12月1日
URL https://yahae1921.com/
SNS
  • Instagram
取材日:2022年9月23日